どう生きたいかは自分で選ぶもの。-負傷の羽生結弦選手強行出場に寄せて-
選手は、どういう選手でありたいか どう生きたいかを、

最終的には自分で選ぶものだと思います。



このブログを見に来てくれるような人は知っててくれてるかな?

私はこの夏、同じようにスケートリンクに顎を強打して骨まで見える傷を負い、15針縫いました。

氷上では、転んだ際に手をついても滑ってしまうので、そのまま顎から着氷してしまいます。

ぶつかったのはそんなにつるつるした平面なのに、ぱっくり切れる・・そこまでの勢いでの激突なので、身体が驚いてしまい、私の場合も涙が勝手にポロポロ出ました。

脳震盪やムチウチのような症状も出ました。もちろん心もショックを受けます。

そんな直後に戦うなんて・・・闘志を剥き出しにして向かって行った彼は・・・本当にすごいと思います。
血を流す姿は痛々しかった。

そして、演技が始まってみると、本当に強かったです。
転んでも転んでも恐れず、跳び切って回り切ったのがすごいです。(だから、回転不足にならず、高難度の技自体は成立し、得点に結びついたのですよね)

「危ないから止めたほうが良いのでは」そう思いながらも
美しさと強さに心を揺さぶられ、涙が溢れました。

脳震盪は、二回目以降がヤバいそうですね。
その、「セカンドインパクト」のリスクを考えると、周りの大人達が無理にでも止めるべきだったと、今議論されていますね。
しかし、何を基準に止めるのでしょうか。

今回、日本チームに医師が帯同していなかったことには驚きましたが
(改善を検討中のようですが、ぜひに!)
もし医師が居たとしてもCTやMRIがあるわけではないので、その時の身体の状態は「本人が一番わかる」というのも事実です。
「練習で流血したら棄権しなければならない」なんていうルールを作ったとします。

もしそれを悪用されたら・・・(F-1で若い頃のシューマッハがやったように)「当たり屋」のような行為で、ランキング上の選手を止めることができてしまいます。
(今回は、中国の閻涵(イェン・ハン)選手にとっても不幸な事故だったようですが)

「ボクシングだったらセコンドが止める」なんて意見も耳にします。

しかしそれは、あくまでも「危険だと判断した場合」です。

試合続行すれば、ほぼ確実に頭部への攻撃を受けるであろうボクシングでさえ、
殴られて血を流してふらついているから即棄権、とはなりません。

今回、「セコンド」は居なかったのでしょうか?

いえいえ。

オーサーコーチが居ました。

誰よりも彼の心配をし、万一何かが起きた時に真っ先に責任を問われる立場の人です。

その人が、至近距離で本人の身体と心状況を確認した上で、勝算が高いと判断した上での続行だと思います。

「ヒーローになる必要は無い。身体が大切だ」と諫めながらも、全力で止めはしなかったのですから。

リスクはありましたが、何よりも本人が望み、コーチは腹をくくって ともに賭けた。・・・そして勝負に臨み、帰国後・・精密検査の結果が出ましたね。
身体のほうは、大事無かったようで、本当に幸いでした。

この時点で、彼らはハイリスクなギャンブルに勝ったのです。

彼はオリンピックゴールドメダリストであるだけでなく、伝説級のヒーローになりました。
不屈の闘志と美しさが世界中の観客の心を揺さぶり、また賛否両論の大議論を巻き起こし、話題の中心になりました。(この注目が、今後の環境改善の推進力となることは間違いないでしょう)

そして
今回の危険なチャレンジに賭けた結果、特に収穫があったとわたくしが思うのは、メンタル面です。
大きな事故の後は心の傷も心配されます。トラウマになってしまい、飛ぶのが怖くなってしまう可能性がありました。
しかし今回は、棄権せず、事故直後のアドレナリンがたくさん出ている間にリンクに立ちジャンプに挑んだ事で、その心配は薄まりました。

心の傷が早く癒えることは期待できるのではと思います。

スポーツ選手にとって、身体のケアに劣らず、メンタルケアもとても大切なものです。

わたくしはずっと昔、試合中に大事な人の訃報を受け取った経験があります。

まだ若く、元気だった友人の、突然の事故死でした。

その後ショックが癒えない間も試合に出続けたせいで、
心に長く傷を残す結果になってしまったのでした。

(今思えば戦う気持ちを取り戻せるまでは出るべきではありませんでした。
若い頃にお芝居の世界に身をおいたために、「舞台に穴をあけるわけにはいかない」と思って、休まずにいたのですが・・・もっと、アスリートとして勝負にこだわらなければならなかったのですね。それ以降、我ながら格段に勝負弱くなりました。)

わたくしの場合は、逆に「出なければ良かった」という話ですが・・・。その時羽生選手は「戦える気持ち」を強く持てていたので、それを活かせた事は、次につながると思うのです。

長々と書きましたが、最後に
羽生選手の、一日も早い本復を祈ります。
またスケート連盟が今回のことを機に
医師の帯同を義務付ける以外にも、練習のありかたの改善(6名は多すぎます)、事故があった場合の対応(氷上で使える担架の準備、救護員の迅速な対応など)に至急取り組んでくれることを切に願います。


Yahoo!の意識調査『負傷の羽生結弦が強行出場、どう思う?」というのが目に止まりました。

ニュースなども直後は大絶賛だったと思うんだけど
一転して、無茶した本人や止めない周囲の大人が悪いという風潮になってきているようで

投票結果は
ほぼダブルスコアで反対派が優勢。


さて、この意識調査なんだけど、ちょっと聞き方に公平を欠いているのよね。

タイトルからして

 『負傷の羽生結弦が強行出場、どう思う?』

ちょっとネガティヴ誘導入ってるような・・・。

せめて『負傷の羽生結弦が強行出場、転倒するも銀メダル、どう思う?』とか。

フェアに、ポジな言葉も入れて欲しいな。



羽生選手の判断なので問題なし  33.3%  62,324票

周囲が出場を止めるべきだった 56.0%  104,709票

分からない/どちらとも言えない 10.7%  19,954票

ひとつめの「羽生選手の判断なので問題なし」は・・・そうじゃないでしょ。
本人の意思+コーチ・親御さん・医師(アメリカチームの)の判断だから納得という事なのに。

「感動した。支持します」とかにしてあげて!

もしくは単に「賛成」「反対」「わからない」で良くない?




Facebookで、3C&アーティスティックのトッププロ、町田正Pが
「うわ〜!羽生選手が、アッコさんと同じような怪我を!」と書きこんで下さり、
そのコメント欄で会話するうちに、まとまってきた私の考えを上にまとめました。

二人のやりとりは、Facebookで見てみてね!(^^)

ちなみに、町田プロの戦績は、以下のとおり。

化け物です(^_^;)(絶賛)
'86年第1回アーティスティック全日本選手権優勝
'87年第2回アーティスティック全日本選手権優勝
'88年第3回アーティスティック全日本選手権優勝
'89年第4回アーティスティック全日本選手権優勝
'90年第5回アーティスティック全日本選手権優勝
'91年第6回アーティスティック全日本選手権優勝
'94年第9回アーティスティック全日本選手権優勝
'96年第11回アーティスティック全日本選手権優勝
'98年第13回アーティスティック全日本選手権優勝
'99年第14回アーティスティック全日本選手権優勝
'00年第15回アーティスティック全日本選手権優勝
'02年第17回アーティスティック全日本選手権優勝
'06年第10回全日本プロバンド選手権優勝
'07年第15回全関東バンド選手権優勝
'08年第14回東京オープンスリークッション優勝
'08年第40回全日本47/2オープンカードル選手権優勝
'08年第12回全日本プロバンド選手権優勝WEB CUE'S
'09年第17回全日本バンド選手権優勝
'10年第18回全関東バンド選手権優勝
'10年第18回全日本バンド選手権優勝
'11年第19回全日本バンド選手権優勝
'11年第43回全日本47/2オープンカードル選手権優勝
ビリヤード専門誌 CUE'Sのウエブ版 WEB CUE'Sさんよりお借りしました)
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